2015年 09月 22日
お通夜の後に |
彼の1番の仲間であるYちゃんに
「彼がお世話になっていた人を紹介して欲しい」
そうお願いしていた
今までお世話になりありがとうございました
そして、ごめんなさいを伝えたくて。
通夜振る舞いを行っている控え室に母と妹を連れていき
ロビーに向かった
Yちゃんが数名の方と話していた
Yちゃんは私に気付き
「ちいさん、こっち」とその輪の中へ入れてくれた
そして
「よし君の彼女、ちいさん。これから結婚しようとしていた2人なんです」そう私を紹介してくれた
しっかりしよう
彼の彼女として恥ずかしくないように
しっかりお世話になった方達に挨拶しよう
そう決めていたのに・・・
「これから結婚しようとしていた」
その言葉を聞いた瞬間堪えきれなくなり
涙が次から次にこぼれた
ダメだ!しっかりしないと
彼に「これだから紹介したくなかったんだよ!」なんてキレられないように
涙を拭い
「彼が今まで大変お世話になりました。本当にありがとうございます。こんな形になってしまい、申し訳ありません」
そう頭を下げて告げた
その後Yちゃんは、1人1人を紹介してくれた
紹介してくれる度、お礼を告げ、一言二言話を交わした
その後、少しそこで彼の話になった
私が知らない職場での彼
私には、いつも「疲れた」とか「面倒くせぇ」とか「早く帰りたい」ばかりだったのに
妥協を許さず完璧を求める彼だったらしく
バイクの持ち主が「もうこれでいい。」そう言っても「ダメです!ここもやっちゃいましょう!俺やりますから」って、とことんやるんだよなぁ~、よし君は。
なんて話を聞いたりした。
私の知らない、よしを知るのが嬉しかった
そこで暫くお話しをしてから彼の元へ戻った
遅れてくる方もいらっしゃるので受付にもまだ親戚の方がいらっしゃり焼香台もそのままだった
お父さんも、まだ受付にいらした
よしの隣にいき
よしの顔を覗きこみ
「よし~。沢山の人が来てくれてるね。よしは凄いね」
そう言った。
「本当にバカだな。よしは」
そう言いながら泣いた
Yちゃんに「ちいさん」そう呼ばれた
そして遅れてきたYちゃんの奥さんを紹介された
彼から何度も話を聞いていた、彼とも何度も会った事があるYちゃんの奥さん。
エステを経営していて私にも来てくれ~って言ってたから、ちい行ってみたら?なんてよく彼に言われてた。
でも私は、正直Yちゃんが苦手だった
いつも一緒のYちゃんに嫉妬してたし、彼の苦しみの源でもあったYちゃんが苦手だった
なので、その奥さんとも余り関わりたくなかった
だから「ありがたいけど皮膚弱いし(これは本当)エステは、やめとく~」なんて、いつも断っていた
その奥さんと彼の話を色々した
暫くして子供が待ってるので今日は帰ります。また明日。
とYちゃんを残し帰って行った。
Yちゃんの子供は女の子で3歳
私達が出会って間もなく友達に子供が生まれたからと、お祝いを一緒に買いに行ったから知っていた。
その後も彼のお仕事関係の方達がお焼香にやってきた
その度にYちゃんは私を呼んでくれ
「よし君の彼女のちいさん。これから結婚しようとしていた2人なんです」と私を紹介してくれた。
1人1人にお礼とごめんなさいを告げて頭を下げた。
本当に沢山の人だった。
その間に母と妹も「また明日来るから」と帰って行った
そして、かなり時間が経った頃
彼の店の小さな常連さん、小学生と中学生の男の子の兄弟がお母さんに連れられてやってきた
彼の店に、学校帰りにいつも寄っていた兄弟
彼は本当に可愛がっていた
お父さんがいない彼等に、まるでお父さんのように厳しく本気で叱ったりしていた
彼は彼等のお母さんとよく彼等の事で連絡をとっていた
なので、お母さんにこの事を伝えて欲しいとYちゃんにお願いしていた
このまま黙っていなくなるなんて、彼等にとってもどうなんだろうか・・・と思ったから。
本当に2人共彼になついていた。
でもまだ小さな子供。
だから判断は、お母さんに任せようと。
お母さんにだけはこの事を連絡してくれないか?と、彼の携帯をその時持っていたYちゃんにお願いをしていたのだ。
その2人がお母さんと来てくれた。
お母さんは、私に「いつもこの子達がお世話になっていて、本当に感謝してます。ありがとうございます」と言った。
「彼から、いつもお2人の話しは聞いていました。本当に可愛いんだよって言ってたんです」そう言うとお母さんは泣き出した
3人は、よしの隣にきて、沢山沢山よしを見ていた
お兄ちゃんは、泣きながら「かっこいい」そう言った
「オシャレだからね、ちゃんと髪も髭もお手入れしてあげたんだよ。かっこいいよね?負けないように、かっこよくなりなね」私が言うと手の甲で涙を拭いながら「うん」と言った。
弟君は、私が入れてあげた最後に食べたグミを見て
「あっ!この前車にあったやつだ!食べていいよって言われたけど食べなかったんだ~」と言った。
私と最後にあった数日後、彼は弟君を助手席に乗せて買い物へ行っていた、その時にグミを見つけたらしかった。
だから言った。
「このグミね、最後に一緒に食べたんだ。でも、余っちゃったからまた今度一緒に食べようと思って置いておいたんだ。きっと食べたいだろうから入れてあげたんだよ」と。
弟君は目を真っ赤にしながら私を見て笑った
こんな小さな子まで泣かせて
よしは、本当に何やってんのよ!
そう心の中で呟いた
その後暫く2人はYちゃんや仲間達とふざけて遊んでいた
その中に一緒になってふざけて遊んでる彼の姿が見えた気がした
そろそろ時間も遅いし受付も閉めて焼香台も片付けはじめた時、ひとりの若い女性が入ってきてYちゃんの元へ駆けつけた
Yちゃんと一緒に彼の元へ行き、暫く彼を見つめ、その後受付にいるお父さんの所へ行った
私は、よしに「ねぇねぇ、あの人って、もしかして?」と聞いた。
私が顔をあげるとYちゃんは、女性を連れてやってきて
「ちいさん。こいつ、俺の・・・」
そこまで聞いて私は
「あっ、よしに聞いてます」と言った
Yちゃんの彼女だった。
彼から、よく聞いていた。
お嬢様で無知で、ちょっとずれてる彼女。
元々は、彼がお世話になっていたバイク雑誌の担当をしていて、よく彼の店に来ていたのでYちゃんと知り合い・・・
彼とYちゃんと飲んでいると、よく彼女も来ていたらしく色々彼には話を聞いていた。
でも、まさか葬儀に来るとは思ってもいなくてビックリした
その後、お父さんが
もうここは終わりにして上に行こう
みんなも連れて上に上がって。そう言った。
よしが、ここにいるのに・・・
と、また思ったが、お父さんに「ここは1度閉めないといけないから、いいから上で皆といて」と言われ仕方なく彼と離れて控え室へ行った
by yoshi721chii
| 2015-09-22 00:26
| 後悔の日