2015年 04月 22日
やっと伸びた髪 |
彼は私と出会う前
昔から色々な髪の色、髪型にしてきていました
でも、私と出会ってからは特にそんなに変わる事なく、伸びたら美容院に行くのがいつもの彼でした。
いつも帽子を被っているので、そんなに髪にこだわっていなかったのかもしれません。
ただ、福島に住む大好きな、お婆ちゃんが亡くなった時
葬儀の日が決まり、行く前日に彼は美容院へ。
そして赤(ピンク?)ベースで髪を染めてきました
陽に当たると本当に赤くキラキラと輝き彼に似合ってて、とても私は好きでしたが…
葬儀参列。いくら陽の光ではない蛍光灯の下でもワインレッドのような色…
しかも田舎…えぇ?!大丈夫なの?そう言う私に
「大丈夫でしょ」と。あっけらかんと笑ってた。
お婆ちゃんが大好きだった彼。
お婆ちゃんも彼の事、特別に可愛がってくれていたと後から聞きました。
彼が離婚し1人でいるのを心配していたそうで、彼は「大丈夫だよ。ちゃんといるから」亡くなる少し前に会った時、話していたと。それを聞いてお婆ちゃんは本当に喜んでいたと、ご両親に聞きました。
そんな赤い髪をした可愛い孫を、お婆ちゃんは、きっと笑って見ていたんだろうな。
そんな彼にお父さんはキレていたみたいですが…。
彼の髪を切った事もありました。
美容院面倒くさい!と…
ちょっと切ってくんない?と…
後ろだけだし簡単だろう。そう思い引き受けた。
お風呂場で…トップや横は切らなくていいと。後ろだけ邪魔だから、そこだけ切ればいいとの事で切ったんですが後ろだけ下だけだと他は揃ってきてしまう…結果的に、女の子のおかっぱみたいな…ぼっちゃんみたいな…後ろから見ると何だか可笑しくて★
でも彼は大丈夫でしょ。どうせ帽子被るんだし…と。
ても、可笑しくて可笑しくて彼にわからないように笑ってしまいました(笑)
後日やっぱり、オカシイと思ったのか美容院に行っていましたが(笑)
そんな彼から昨年5月のある日。
夜、ラインがきました。
「長くてイライラしちゃったから剃っちゃった!」と。
「えっ?!剃るって?まさか…ボウズじゃないよね?」
「うん。スキンヘッド」
「えーっ!!!嘘でしょ?!」
「だって、うざかったんだもん。どうせ帽子被るし関係ないよ」
後日会った彼は本当に綺麗なスキンヘッド…
ビックリでした(笑)
暫くして彼の家でお父さんと話してる時に言ったんです。
「あの時はビックリしましたよ!いきなり自分で剃ってあんな頭になって!」と。
お父さんは「なかなか風呂から上がって来ないから心配になり見に行ったら髪、剃ってんだよ。本当にあいつは昔から、突拍子もない事突然やるから…ボウズも前にもやったんだ」と。困った顔して笑ってた。
仕事の行き帰りはバイクだからメットで髪が潰れちゃうので必ず帽子だけど、お休みの日は被らない日もあった。
でも、それからは常に帽子だった。
彼は以前バイクで2度大きな事故をおこした。
頭を打ち手術をした事もあったので縫った後があった。
少しずつ髪が伸びても、その傷痕だけは髪が生えず何だかとても痛々しく思えた。
最後に会った日
その頃には彼の髪も、かなり伸び始めていた
いつものように迎えにきてくれた彼は帽子を被ってなかった
スキンヘッドにして以来、外で被ってないのは初。
買ったばかりのお気に入りのベストを着て
ちょっぴり伸びた髪を整髪料でいじっていて
なんだかとても…かっこよかった
大好きな気持ちが溢れキュンとした。
「今日のよし、いいね!ベストも髪型も似合ってる!」
そう言ったら照れたようにちょっぴり笑い
いつものようにムッとした(笑)
やっと伸びた髪だった…
そんな伸びた髪を
彼は今度は染める!と言い出した
8月のある暑い日だった。
一度ブリーチで色を抜き、とんでもない色にしようとしていた(笑)
ドラッグストアを何軒も周り2種類の液剤を買った。
だけど家に帰る頃には疲れたのか、今日はやめた~
今度やるから手伝って~と。
私も彼も楽しみにしていた
でも、その頭も2回ほど「今度でいいや~」と。
結局、2箱の液剤は使われる事は、なかった
あんなにドラッグストアを周り
あんなに楽しみに選んで考えてたのに
彼は髪を染める事なく逝ってしまった
亡くなった後、彼の部屋に行くと
その2箱の液剤は、そのままあった
それを見て切なくなった…
あんなに染めるの楽しみにしてたのに
今度やるから手伝って~
そう言っていたのに
あ~だこ~だ言いながら一緒に染めたかったな
どんな風に仕上がったかな
見たかったな…
やっと…やっと伸びたのにな
by yoshi721chii
| 2015-04-22 15:32
| 彼の事