2015年 04月 12日
なにもしてあげられてない |
私達は毎日寝る前に「おやすみ」を電話で言いあった。
その後、時間が経って電話が来る事があった。
その電話は、彼が弱っている合図。
そして、そんな時の彼は素直で心のまま正直にぶつかってきた。
彼はよく、そんな時
「俺は、なにもしてあげられてない」そう言った。
「俺は、ちいにいっぱいしてもらってる。支えてもらってる。なのに俺は、なにもしてあげられてない」
「俺は、ちいに色々してあげたいんだ、なのに全然してあげられてない。」と。
「そんなことないよ。私こそ、いっぱい支えてもらってる」
そうゆう私に
「違うんだ!もっとしてあげたいのに出来なくて…悔しいし、辛いんだ。」
「俺は、ちいを幸せに出来てない」と。
そんな事ないのに…だから私はいつも
「私は、よしに幸せにしてもらおうとは思ってない。ただ、よしと居れば幸せなんだ。だから、よしは私に何してあげようとか、何してあげたいのにとか思わなくていい。ただ一緒にいられれば、それでいいから。」そう伝えてた。
「ありがとう。ちいで良かった。ちいに出会えて良かった。これからも一緒にいてね。」
彼は、いつもそう言ってくれた。
お仲間さん達にも同じように彼はいつも言ってた。
彼が仲間の為にいつだって一生懸命やってた事、誰よりも私は知っていた。
だから、「そんな事ないよ。いっぱいしてあげてるじゃん」
そう言っても「まだまだなんだ。もっとしてあげないと!」
そう繰り返してた。
葬儀の後、お仲間さんの1人が言ってた。
「ここ迄でいいです。って言ってんのに…いや、これもやっちゃいましょう!いや、大丈夫!俺は大丈夫ですから!…ってさぁ、よし君には本当に色々やってもらったんですよ。あいつは…頑張り過ぎなんです。いつも。」って。
ちゃんと彼の思い、彼の頑張りは皆に伝わっていた。
彼が亡くなり、彼が手掛けたバイクが出る最後のイベントの日。
「オーナーさんに、お世話になったんで」
「初めて行って何も買わないのに、色々教えてもらい嬉しかったんで今日は買いに来ました!」
そんな人が何人も来てくれた。
仲間の為に頑張り過ぎるぐらいだった彼
そんなに頑張らなくても…そう言う私に
「いつか、かえってきたらいいじゃん!」
そう言って笑ってた彼。
よし。ちゃ~んとかえってきたね!
良かったね!よし。
流石だね、よし。
「ほら~!だから言ったろ?」
よしの声が聞こえた気がした…
よし。
よしは、ただ居てくれるだけで良かったんだよ。
だけど、私やお仲間さん達の為に一生懸命やってくれようと頑張ってくれて…ありがとう。
私達は、よしに、そんなに思ってもらい考えてもらい幸せでした。
ありがとう。よし。
by yoshi721chii
| 2015-04-12 19:38
| 彼との思い出